2024.12.19 3年間を振り返って 岡村琉生(3年)

長いようで短かった3年間。振り返ると多くの人と出会い、たくさんのいい経験ができました。
この3年間をざっくりと振り返りたいと思います。
1年生の時はフィジカル、守備強度不足などが課題としてあり、なかなか試合にでられず、練習の時にも外される事がありました。弱い自分ではその事実を認めることができなくて人や環境のせいにしたり「どうせ自分なんて」と開き直って真面目に取り組む事をやめたりしていて、今思うととてもダサかったなと思います。ですが腐敗はとまらず徐々に自主練をする時間が減っていき、練習態度もフィジカルトレーニングになると自分から逃げるように手を抜いてやっていました。特に差を感じたのは冬の横山杯です。私の中では選ばれてしまったから行くような感覚で参加しましたが、他のみんなは3年がいなくなり、次のトップに入ってやろうという気持ちで参加しており、気持ちの面でまず差を感じました。また周囲がプレー面では強気で戦いチームに必要な選手になろうとプレーしているのに対して、私は弱気で自分さえ満足できればいい自己中プレーをかましていて、プレーでも差を感じました。その度に自分とみんなとではサッカーに対する熱量やかける気持ちの違いが大きく、自分はこの集団にいていいのかと思うようになりました。またサッカーに対する目標がなく、なぜサッカーをしているかのかがわからなくなっていました。
春になりK3が始まりました。初戦は勝利したもののその後なかなか勝利を掴む事ができず、コーチ陣からも今年の昇格は望めないなど厳しい言葉を受けました。その時は自分も少し試合に関われるようになった頃だったので、その言葉に悔しがる仲間を見てこの集団にいるからには自分もやらなければいけないと思い、それが目標になって徐々にサッカーに対してちゃんと向き合うようになり始めました。ですが、いざちゃんとやっていこうと気合いを入れ始めた自分でしたが、みんなとの差は大きく広がっていたため、なかなか近づくことはできませんでした。その差を埋めようとしている自分をチームのみんなは心良く受け入れてくれてK3昇格という目標に向けて一体感をもって練習に取り組めるようになりました。練習の成果もあり試合ではコミュニケーションが増え、連携がうまく行くようになりました。そんな中で迎えた夏はまさに地獄で、気合いの入った梶くんに今まで体験したことのないくらいキツイフィジカルトレーニングを組まれとても苦しくしんどかったです。途中何度も投げ出したくもなりましたがみんなが声をかけてくれて、厳しいトレーニングを乗り越える事ができたと感じています。そのおかげでチームではより一体感が増し、K3では負ける事がなくなっていき、昇格が見えてきました。昇格がかかった座間戦で引き分けてしまい昇格が危うくなりましたが、その後の隼人が引き分けて自分たちの昇格が決まりました。その時に嬉しさが爆発してみんなで喜び、叫びあったのをよく覚えています。またここまで自分を諦めずにしごいてくれた梶くんと引っ張ってきてくれた仲間のありがたみをものすごく感じました。
迎えた桐光戦。接戦でしたが結果は0-1。
スタンドから見ていた自分にとって選手たちの姿はとても輝いていて、来年自分はここに立って活躍したいと感じました。この頃から気合いがより一段と入り、やっとみんなと同じくらいの熱量になったと感じました。ずっと誘われていた朝のトレーニングにも行くようになりましたが、筋トレをしていなかった自分にはみんなと同じメニューができず、自分の非力さを実感しました。そんな自分に対し、みんなは筋トレを教えてくれたり、サポートに入ってくれたり、最大限の協力をしてくれました。その結果もあり横山杯ではトップに関われるようになり、裏選手権ではスーパーサブとして活躍する事ができました。またその後の関東大会では徐々に出場時間が増えてきて、少しはみんなとの差が縮まったと感じられるようになりました。ですがK1ではなかなかいい結果を残すことができずにいました。インターハイで何か自分を成長させるきっかけを作ろうと準備していましたが、筋トレ中におもりを落とし骨折をするという恥ずかしい怪我をしてしまい、インターハイではサポートを余儀なくなりました。相模戦では負ける姿をただ見ることしかできず、何もできない自分に対して悔しさや怒りなど色々な感情が込み上げ、選手権は必ずいってやるという強い気持ちと目標がより明確になりました。ですがチーム全体としてなかなか試合に勝つことができず行き詰まっていました。その中で自分はより気合いを入れてやっていました。特に学校合宿では全てプラスに考えて取り組み、毎日の練習や行動に意味を持たせるために色んな事を意識したり、工夫したりして取り組みました。その結果チーム全体では一体感が増し、自分はプレー中にも頭が切れることがなくなったと思います。ですが試合では自分の力以上の事をしようとしてしまい、結果を残すことに必死になりすぎて無駄な緊張をしたり、焦ってしまい空回りをしてしまいました。それにより負のループに落ちてしまい、チームをより良くない方向に向かせてしまったと思います。
それでもその状況を変えてくれたのはK2組の2年生達で、K1にでると役割をちゃんと理解して、できるプレーを最大限引き出していて自分もそれを見習い、狭くなっていた視野を広げ、心に余裕を持ちできるプレーを一つずつこなしていく事を意識してやりました。
そして始まった選手権。それまでかなりやらかしていた自分は干されていたため最初は出場する機会はなかったですが、気持ちを落とさず目の前のことを一個ずつこなして出場する機会を取り戻すことができました。隼人に勝利し迎えた桐光戦。去年決めた目標を達成するべく、最高の準備をして臨みました。入場した瞬間人の多さに圧倒されましたがホイッスルと共に緊張も焦りも消え、ただ出来ることを全力で取り組みました。結果は前半2-0。点が決まった時は言葉では言い表せないくらいの思いが募り、胸が熱くなりました。勝利が見えてきた後半。自分は足が折れてでも守り抜くぐらいの気持ちで入りました。状況は劣勢でかなりキツイ後半になりましたが、たすくのスーパーセーブやみんな渾身のシュートブロックがあり、無事に無失点で終わり勝利を掴み取ることができました。その瞬間は自然と涙が数滴こぼれ落ちていて1年越しの目標が達成できてよかったという安心感が大きかったのを覚えています。
喜びも束の間、相模が日藤を撃ち、決勝の相手が決まりました。自分はインターハイでは見ていることしかできなかったので絶対に撃ち負かしてやろうという気持ちがありました。そして迎えた相模戦。気分は好調で足は軽く、勝つ未来しか見えませんでした。試合が始まりどちらもペースが掴めず、激しい攻防が繰り広げられました。ですが徐々に中盤でボールが収まらなくなり押し込まれる形が多くなりました。その結果1失点を許してしまいました。後半だいきと交代しベンチから逆転を願っていましたが相模の守備は硬く、さらにカウンターで1点入れられてしまいました。状況は変わらず終了のホイッスルが鳴り、何もできなかった無力感を残し、自分の高校サッカーは幕を閉じました。
表彰式を終え、スタンドに挨拶し、ロッカールームに戻ってくるまでは悔しさよりももっといいプレーができたんじゃないか、あそこでもっとこうしていればなどと後悔が大きく、自分を責め涙をグッと堪えていました。ですがみんなが優しく抱きしめてくれました。その時悔しさと喪失感を感じ涙が溢れて出ていました。この涙は何よりも価値がある涙になったと思います。
とても長くなってしまいましたが、この3年間は自分の人生で一番成長できた3年だと思います。ここまで来れたのはこの仲間が作った環境のおかげで自分はそれにうまく乗っかって来れたと思っています。大学ではもっと成長できるように自分に厳しく頑張っていきたいと思います。
岡村琉生