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【アキラの監督ノート】新規加入選手 獲得の裏側~谷垣佑真編~

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いつも金沢ポートを応援してくださっているファンの皆さま、本当にありがとうございます。 代表兼監督の西東 輝です。
シーズンオフの間も、金沢ポートをもっと身近に感じてもらえるよう、ファンクラブ限定で、ここでしか話せない“チームの裏話”や“監督目線のエピソード”をコラムとしてお届けしていきます。 「ファンとともに作るクラブ」であることを、より強く感じていただける時間になれば嬉しいです。
 

第1弾は、新加入・谷垣佑真選手の獲得秘話。

まずは、谷垣選手本人の想いや決断の背景については、こちらのインタビュー動画をご覧ください。
 

きっかけは「全日本4強」でも「日本リーグ全勝」でもない

彼を獲得したいと思った理由は、成績や実績ではありません。
それらは「あとから付いてくるもの」だと、僕は思っています。
僕がこのままではいけないという危機感を強く感じたのは、2024年9月29日・静岡戦での開幕4連敗がきっかけでした。
 
 
負けが続くと、どうしてもチームの空気は重くなります。
その流れを止めるには、戦術や技術以上に——空気を変える存在が必要だと痛感しました。

「一緒に負けた」選手が少ない

実は、その4連敗を選手として“ともに味わった”メンバーは少なかったんです。
国際大会への出場でTリーグに出場できない選手がいるなど、試合ごとに入れ替わりがある体制の中、「連敗を共に体感した」という共有体験が不足している。僕にはそれが大きな課題に思えました。
そして何より、負けたときのムードを吹き飛ばすような、“雰囲気を一変させる存在”が欲しかった。
そんなときに頭に浮かんだのが、サッカー日本代表の長友佑都選手や、ソフトバンクの松田宣浩選手のような“ムードメーカー”の存在でした。

今までのチームは、落ち着きのある選手を選ぶ傾向にありました

正直に言えば、これまで僕はノリが良く、自由奔放なタイプの選手が、ちょっと苦手でした。
僕自身が口数の少ないタイプで、静かに本を読むのが好きな子どもでした(小学校では図書委員でした・笑)。
だからこれまでは、落ち着いていて礼儀正しく、「安心してチームに迎えられる選手」を選ぶ傾向がありました。
その意味では、松平健太選手や吉田雅己選手のような存在には本当に感謝しています。
でも、それだけでは——チームの流れをガラッと変えることは難しい。

田中佑汰選手への相談と、“自分への挑戦”

そんな中、僕は田中佑汰選手に相談しました。
「佑真を獲りにいこうと思うんだけど、どう思う?」と。
すると彼は、こう笑いながら言いました。
一番、西東さんが合わないタイプですよ(笑)
……たしかにその通りでした。まさに谷垣選手は明るくひょうきんな性格であり、僕が苦手とするタイプの選手です。
でも、僕の考えを正直に伝えると、佑汰はこう返してくれました。
「それなら逆に、“今” 西東さんが求めている選手像に一番合ってるかもしれませんね。西東さん自身にとっても挑戦なんですね」
その言葉が、僕の背中を押してくれました。

真面目なチームに、あえて“異分子”を

だからこそ、谷垣選手には率直に伝えました。
「もしかしたら、俺らは性格的に合わないかもしれない。
自分の思いをうまく伝えられず、佑真から見ても“やりづらい”かもしれない。
でも、勝つために、君のキャラクターが必要なんだ。
だから、金沢ポート色には染まらなくていい。君らしくいてほしい
これまでの金沢ポートは、「真面目にコツコツ」が持ち味だったかもしれません。
でも、それでチームの最高順位が“5位”止まりだったのなら、何かを変える必要がある。
その変化の第一歩が、谷垣選手の加入だったのです。
 
谷垣佑真選手がYouTubeで語っている「2:28からのシーン」は、まさにこのやり取りについてです。
彼は笑いながら丁寧に話してくれていますが、実際はもう少し…いや、かなりストレートに話しました(笑)

ファンクラブの皆さんには、ぜひこうした“裏側”も共有しながら、 2025-26シーズン、新しい金沢ポートの姿を一緒に応援していただけたら嬉しいです。
次回も、ファンクラブの皆さんにしかお届けできない話を用意しています。どうぞお楽しみに!