🆕納骨

2025/6/5 9:022025/6/5 9:39

６月７日出国してハワイへ。生前自分が入る墓をハワイで購入。購入し帰国した後に事後報告。彼女の最後の「こだわり」なので、しっかりとやり切りたいと思う。

倹約家だった彼女、様々な倹約術を駆使してお金を貯めていた。闘病中の旅行、闘病でかかる医療費、それを差し引いても今回の旅資金は残していた。驚きの倹約術である。使う時には使うが、倹約するときには１円にこだわる人。

「早く連れて行って」

そう言われているような気もするが、家族全員のスケジュールを合わせるとこの時期になった。ハワイの墓に埋葬されるので、札幌にある遠藤家の墓へ報告へ行った。いちお仁義を通さないといけないような気がしたからだ。

亡くなってから今までの時間、遺影の前で涙を流したことは何度もあった。闘病時に分かっていたことであり、それなりの心の整理をしてきたつもりだったが、思うようにいかなかった。

最後の緩和医療病院に一か月お世話になり、最期のときも病院だった。亡くなってから二か月程度経過した時だろうか、病院から一枚のはがきが届いた。

一度病院に来てお話ししませんか

家族へ心のケアをしている緩和医療。はがきが届いたときに「さすが」と頷いた。お世話になった緩和医療は札幌で一番の古株。まだまだ緩和医療の病院は足りていない中、札幌で奮闘している病院だ。緩和医療は、現代西洋医学で「打つ手なし」になった方々が、終末医療で入る病院。治療は痛み止めだけ。

看護師さんは本当に大変・・

患者ファーストだが、働く人をみていると本当に大変だ。これだけの患者数に、この看護師の数。足りていないのはどこの病院も同じだが、どうしても動きはシステマチックになる。博恵さんもお世話になっているとき、夜中の対応は「ちょっと・・」という感じで話していた。

患者も人間、看護するのも人間。お互い本当に大変だなと感じた。亡くなる１週間ぐらい前に、病室から「早く来て」と言われたことが数回ある。自分で体を動かせないので、動かして欲しい。痛みに関してのこともあるだろう。ナースコールを押せば済むことでも、携帯で連絡がきた。

最後の方は意識朦朧としているので、連絡がきて急いで駆けつけるとスヤスヤ寝ていることもあった。折角寝ているので起こすことはしないが、起きたときに「どうした？」と言えば「あれ、今日来るの早いね」とケロッとしている。

家族にはわがままを言える。忙しい看護師には「何でも言ってくださいね」と言われているが、あまり要求することはなかったようだ。

はがきが来たときには、闘病時の色々なことを思い出した。亡くなってからのご挨拶で病棟ナースステーションには一度行ったきり。「悲しい」という感情は、自分自身で乗り越えようと病院には行っていない。

今回の納骨は、本当に自分の心の整理をつける時間になるだろう。最初は自宅の遺骨付近にいるような気がしたが、ここ最近は気配をまったく感じない。毎朝、水をかえ、蝋燭に火を灯し線香を上げるが、「いる感覚」をまったく感じないのである。

あの世に行ってみないと分からないが、一足先にハワイへ行っているような気がする。いるいないは、自分が感じることで時間の経過と共に整理がついてきているからこそ、そう感じるのだと思う。

この文章を打ちながら、自分の整理をしている自分もいる。

彼女には生前色々としてくれたので、最後の最後はできることをすべてやろうと決意した。闘病時は人に言えないことばかりだったが、自分ではそれなりにやり切った感はある。闘病時に足りなかった感覚は、亡くなってから様々な自分の動きで補えたような気もする。自分自身が納得できたときに、スッと心の荷がおりる。

ハワイ到着三日目に納骨がある。しっかりと見送りたいと思う。彼女に対する最後の使命だ。