🆕佐世保工業高校レクチャー

2025/5/26 8:522025/5/28 14:08

長崎佐世保工業への二日間のレクチャー終了。初日は雨天でミーティング中心。グリーン走塁のイロハを最初から説明。エントモ走塁動画は見ているので、吸収は早い。座学だけではなく、実際に学校廊下で動いてみる。動きだけではなく、言葉もセットで走塁を体感する。

二日目は紅白戦形式で、3アウトで止めながら起きたことに対して詳しく選手とやり取りをする。声の出し方、確認の優先順位、投手の細かいこと、各投手の生かし方、セフティバントを成功させるノウハウと逆に防ぐ方法、捕手の構え方と動き、打者の立ち位置、打席内の考え方、追い込まれてからの何とかする考え方。

走者が出たタイミングで、走塁を詳しく解説し動いてみる。紅白戦だからこそ、止めて詳しくやり取りができる。これが練習試合となればこうはいかない。

選手とのやり取りは、最初に選手が気になったことを聞いて、それについて解説する。選手の後に、レベルを落とさずに指摘する。横浜高校の選手へ指摘するのと同じレベルで指摘。できるできないは別として、気になることは全て伝える。それがチームレクチャー。

この二日間でチームは強くなるわけではなく、重要なのは「何に問題があるか知ること」が大事なのである。ようは、緊急課題を知り、これからの与えられている時間を有効に且つ集中的に使うのである。バランスよく練習する必要はなく、これからの時間は必要なことに【集中特化】して使うのである。

佐世保工業の投手、主戦じゃない二人の投手が気になった。本人も含め、チームはまだ気がついていない。横浜のサポートをしていくなかで、強豪強力打線に対しては、こんな投手がハマる、のが分かる。その法則にハマった投手がいる。

考え方、やり方、これを知れば自分の強みを生かして強者に対抗できる。プラス、マウンド上でのしっかりしたマインドがあれば何とかなる。資質があっても、やり方も分かっていても、ビビって投げられないやつは炎上する。

「お前、自信なさそうな顔しているけど、強いチームを沈黙される球があるぞ」

本人にしてみるとポカンとしたに違いない。チームとしても「えっ、お前が！？」と思ったことだろう。こういう選手は全国各地のチームでたくさんいるに違いない。エントモレクチャーでは、眠っている選手が起きることもある。戦力じゃなかった選手がチームの中心になったりもする。

佐世保工業は、下級生に可能性ある投手がいるので面白い存在だ。チームを去る前に、意識についての話をした。主将が一番意識が高く、何としてでも勝ちたいという気持ちがある。彼の他にも丸坊主にしている選手もいれば、髪が長い選手もいる。

それぞれで判断。ご自由にスタイル。

強制にすると問題があるご時世。でも、丸坊主の意味、なぜするのかを問えば、頭髪問題など小さなことだ。2年前慶応が甲子園優勝して、一気に長髪が加速した。髪の毛で野球をするわけではない、自由、それぞれの選択、、そんな風潮が強くなっている。

学生は自分を鍛え、社会に出るまでの修行期間。野球に真摯に向き合い、自己研磨の時間としているチームは丸坊主が当たり前。横浜高校はもちろん丸坊主。高校野球を終えてから髪の毛は伸ばせばいい。

「丸坊主に全員すれとは言わないが、このチームは意識の濃淡はある。たかが髪の毛だが、丸坊主にできない甘さはある。主将が一番意識高く何とかしようとしているが、どれだけ主将レベルに考えるやつが増えるかどうか、だな」

佐世保工業は、家練の精度を上げることが大事。選手個々ができることを増やし、チーム練習でその力を集めたい。ひとりひとりの意識を上げて、勝負できるチームを作り上げて欲しい。

学生は自由に選択できないものがあるほうがいい。理不尽、チーム優先、がいいのである。それが学生時代に経験させたいことだ。髪の毛は自分のことだけ考える選手、チームのことを考えられないやつは長いまま。個人主義ではチームは絶対に勝てない。強者に対してうまくいかなくてもバトンを落とさずにバトンリレーしたい。個人主義の選手がいればバトンを繋ぐことはできない。徹底野球など、夢のまた夢なのである。

二日間のレクチャーを終え、チームとして何に対して全集中していくのか。決めるのはチームである。できていないことを夏までの一ヶ月半でどのように改善していくのか。

一月に佐世保工業を訪問した以来の訪問だったが、ウォームアップなどは大きく変わっていた。以前よりも断然よくなっている。チームは変われるし、自分たち次第で強くなれる。今回も彼らの奮闘を期待したい。