自分のサッカー人生_4年 青木 祐人
・僕がサッカーを始めたきっかけ
小さい頃、最初に挑戦したスポーツは野球でした。お父さんが元々野球をしていたこともあり、なんとなく自分も始めてみました。でも正直なところ、野球のセンスはあまりなかったみたいで、バットにボールを当てることさえ難しくて、練習のたびに悔しい思いをしていました。
そんな時に友達に誘われて、地元の少年団のサッカーチームに体験で参加することになりました。正直、最初はあまり期待していなかったんですが、ボールを蹴った瞬間、なんとも言えない爽快感が体を突き抜けたんです。「あ、これだ」って、自然と笑顔になっている自分がいました。
それが、僕がサッカーを始めるきっかけになった瞬間でした。
・「下手くそ」からのスタート
サッカーを始めたばかりの頃、僕はとにかく泥臭くて、決して「上手い」と呼ばれるような選手ではありませんでした。周りにはどんどんトレセンに選ばれる仲間もいたけれど、僕にはそんな実力はなく、セレクションを受けてもすべて一次で落ちるような、正直パッとしない選手でした。
でも、悔しさだけはいつも心の中にありました。「絶対に誰にも負けたくない」そんな想いだけを武器に、僕は毎朝5時に起きてコーンドリブルやリフティングの練習を続けました。うまくなりたい、その一心で。
気づけば、学校が始まる前も、放課後も、いつも公園でサッカーボールを蹴っているような小学生になっていました。ただひたすらに、ボールと向き合う毎日。あの頃の必死な気持ちが、現在のサッカーの地盤になったと感じています。
・恩師との出会い
中学生になるタイミングで、僕はクラブチームに進む道を選ぶことができませんでした。だからこそ、自分で考えて受験をし、桐蔭中学のサッカー部に入ることを決意しました。
そこで出会ったのが、今でも僕の恩師と呼べる存在、松田先生でした。
松田先生からは、サッカーの技術だけでなく、「サッカーを楽しむことの大切さ」や「人としての在り方」、そして「ボールを取られない体の使い方」まで、すべてを教わりました。ボールの取られないボールの持ち方やドリブル、技術などももちろん教わったり、サッカーを通じて人間としての成長が大切だと教えてくれたのが先生だったと思います。
中学時代も、生活の中心はいつだってサッカーでした。授業が終わればすぐに部活へ直行。オフの日でも、自主練のために一日中グラウンドにいるような、そんな毎日を過ごしていました。
周りにどう思われても気にしなかった。ただサッカーが好きで、少しでもうまくなりたくて、夢中でボールを追いかけていました。
・プロの道が見えた高校時代と、出会いがくれた転機
僕の人生の中で、初めて「プロになれるかもしれない」と感じたのは、高校生になってからのことでした。
正直、中学生までの自分は、プロという夢からはほど遠い場所にいたと思います。ただ好きで必死にサッカーをやっていたけれど、そこに現実味はなかった。
そんな僕の転機になったのが、高校に進学して出会った八城さんの存在でした。
彼のひと言で、僕はポジションをFWからCB（センターバック）に変更しました。最初は戸惑いもありましたが、その決断が僕のサッカー人生を大きく変えました。高校1年生の頃からレギュラーとして試合に出させてもらい、2年生では選手権への出場、3年生ではプリンスリーグへの昇格と、貴重な経験を積むことができました。
そのすべては、一緒に戦ってくれた仲間たち、そして何より八代さんのおかげだと心から思っています。
ただ、ひとつだけ後悔があります。
レギュラーとして出続ける中で、自分の中に慢心が生まれ、次第に八城さんの言葉にきちんと耳を傾けなくなってしまいました。
今思えば、あの時の自分がもっと素直でいられたなら、もっと成長できたのではないかと感じています。
それでも、あの高校時代があったからこそ、今の自分がいます。後悔も含めて、かけがえのない時間だったと、今は胸を張って言えます。
・プロになるという覚悟
高校で積み重ねた努力が実を結び、僕は桐蔭横浜大学という全国でも屈指の強豪校に進学することができました。
ただ、そこからの道のりは決して簡単なものではありませんでした。
入学してすぐに感じたのは、自分の実力不足。
先輩はもちろん、同期のレベルも高くて、練習に着いていくのがやっと。正直、心が折れそうになった瞬間も一度や二度ではありませんでした。「もうサッカーを辞めてしまおうか」そんな弱気な気持ちが頭をよぎることも何度もありました。
それでも僕が踏みとどまれたのは、これまで支えてくれた人たちの存在があったからです。
プロになって、これまで出会ってきた仲間、指導してくれた恩師、そしてどんな時も応援してくれた両親に恩返しがしたい。その想いが、僕をもう一度前へと進ませてくれました。
大学では、自由な時間が増えたぶん、自分自身と向き合う時間も多くなりました。自分に足りないものは何か、本当に大切にすべきことは何か。技術面でも、精神面でも、自分を磨き続ける毎日。逃げずに課題と向き合い、ひたすら努力を積み重ねる4年間でした。
簡単じゃなかった。でも、あのときあきらめなくて本当によかった。と今でも思います。
・今、チームのために。自分の夢のために。
大学での努力を積み重ねてきた結果、今ではトップチームの一員としてプレーできるようになりました。
そのことは本当に嬉しく、自信にもつながっています。ただ一方で、チームとしては決して楽な状況ではありません。勝てない苦しさや、結果が出ないもどかしさを日々感じながら過ごしています。
だからこそ、今、自分にできることは何かを常に考えています。
プレーだけでなく、声かけや姿勢、雰囲気づくりも含めて、少しでもチームが前向きになれるように。どんな状況でもブレずに、チームをより良い方向へ導ける存在でありたいと思っています。
個人としては、やはりプロになるという目標は変わりません。そのために、まずは関東リーグで試合に出続け、結果を残すこと。チャンスをものにして、自分の価値を証明していきたいです。
ここからが本当の勝負だと思っています。
自分の夢のために、そしてチームの未来のために。今できることを全力でやり続けます。